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mixi日記『あの夏の花火』より。

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これからの季節、高知は一年中で最もにぎやかな時期に入る。
あまりにも有名になったよさこい踊りのフィナーレを飾る行事として
最終日には納涼花火大会が毎年行われる。高知市民が楽しみにして
いる花火だが、森家には暗い陰が付きまとう。

今から25年前の花火大会の日に59歳だった私の祖父は亡くなった。
私は小学4年、妹は幼稚園の夏休み、その日は朝から晴れで私も妹も
家族みんなで見に行くのをとても楽しみにしていた。当時私が住んで
いた家に祖父母が来て夕食を一緒に食べ、辺りも薄暗くなり、さて
歩いて行こうかという時にトイレから出てきた祖父が食べた物を戻し、
そのまま玄関に倒れた。あわてて救急車を呼び、私と妹は近所の
おばさん宅へ預けられた。
不安げな姉妹に近所のおばさんは『大丈夫よ』と何度も繰り返した。
他人の家の中で花火の音だけを聞いていた。その夜、祖父は帰らぬ人と
なった。大丈夫じゃなかった。死因は心筋梗塞。

祖父は偉大な人だった。若い頃は警察官として働き、強盗犯を高知城の
お堀に飛び込んで捕まえたという武勇伝の持ち主でもある。そして
晩年は不動産の仕事、金融の仕事、古物商の仕事…
休日には趣味の庭造りにアユ釣り、骨董収集。。。森家の基盤を一代で
築き上げたと言っても過言ではない。かくいう私の古い物好きも祖父の
遺伝か影響か。

骨董収集家だった祖父が残してくれた真剣で備前の長舟作の脇差がある
らしい。私は刀には全く興味がないのだが、関の孫六と並んで有名な
刀剣師だと言う。ただ置いておくだけでもこの湿気が多い高知ではサビが
浮いてくるので定期的に砥ぎに出すケアが必要だそうだ。その代金、
なんと100万円!まったくえらい物を残してくれたとため息が出る。

2007.7.26
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↑祖父の古物免許のプレート。昔はこんな綺麗なプレートだったのか?
警官退職後に古物免許を持ち不動産を営業し、近い内に祖母と喫茶店をする
予定でした。今私の両親が不動産をし私が古物をして妹がカフェをしています。

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高知市は本日花火大会でよさこい踊りの初日を迎え、明日あさってと本番、
明々後日に後夜祭が行われます。今年はso_ko/kichen so_ko共に通常営業
しておりますので追手筋演技場へお越しの方は涼みにいらして下さい。
Commented by shimo at 2011-08-09 15:42 x
おじいさんのやっていたこと、やりたかったことを
家族みんなで自然と受け継いでいる感じですね。
なんだかステキです。

もしや乙乃ちゃんは将来警察官。。。?

Commented by tomo-so_ko at 2011-08-09 22:23
shimoさん
何だかんだで祖父が居なくなって今年で30年。。。
アレ?って振り返ってみたらそれぞれ分担して家業を継いでた
みたいな感じです(苦笑)でもそれをワンマンでやってた祖父は
今思うとすごい存在やったなーって思います。
Commented by potori_ms at 2011-08-09 22:48
恋愛ではないけれど、ハナミズキの唄のような、
とてもステキなお話ですね~。

御祖父さまが起業されたモノを、後の世代の方々がみごとに、
受け継がれていらっしゃるのですね~。
それも、みなさんが自ずと、というニュアンスがまたいいですね。
武勇伝をお持ちの御祖父さまが、
どんな喫茶店をされたのか見てみたかったですね~。

最後のオチは、失礼ながら笑わせていただきました(笑)。
やっぱり研ぎますか?
Commented by tomo-so_ko at 2011-08-09 23:07
potoriさん
ハナミズキの歌の歌詞ってしっかりと聞いた事がないので今度
聞いてみようと思いました。鼻歌では何度か口ずさんだ事はある
んですけどねー^^

祖父母はとにかく色んな喫茶店に足を運んでノウハウを吸収し
コーヒーカップとかも色々集めかけてたようです。今でも祖母宅
にはたくさんの食器やカップが並んでいます。きっとアットホーム
的な喫茶店をしてたのじゃないかと思いますね。

父曰く簡単に研ぎにも出せないらしいです。
考えすぎと思うけど真剣をすり替えられるなんて事もあるらしくて
そんじょそこらの砥ぎ師には出せないと言ってました。
多分そのまま放置プレイだと思います…
Commented by ジュオルモイ at 2011-08-10 08:30 x
おはようございます。
森家の歴史がちょこっとわかってよかったです。
59歳か・・・そんな先ではないなあ。
しっかり生きねば、と思います。
Commented by tomo-so_ko at 2011-08-10 09:10
モイさん
おはようございます。
今は人生80年(あるいはそれ以上)の時代ですからまだまだですよ^^
確かに59歳は若すぎたと思います。何もかもがやり始めたばかりの
時期だったのである意味引継ぎが大変だったようです。
一寸先は闇ですからね(苦笑)後悔のないように過ごしたいです。
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by tomo-so_ko | 2011-08-09 09:29 | その他 | Comments(6)